SIMフリーのモバイルWi-Fiってどう?
選び方と確認しておきたい注意点!

小型の端末を持ち運べば外出先でもスマホやタブレット、ノートパソコンをインターネットに接続できる「モバイルWi-Fi」は非常に重宝する一品です。この記事ではモバイルWi-Fiの購入を検討している人のために、SIMフリーのモバイルWi-Fiのメリットやデメリット、購入前に知っておきたい注意点などを紹介します。なお、この記事における「モバイルWi-Fi」は、持ち運んでネットに接続できる端末(モバイルWi-Fiルーター)を指します。

2015年5月、SIMロック解除の義務化が開始されると、大手通信キャリアに比べて毎月の通信料金が格段に安くなる「格安SIM」のスマホに乗り換える人が急増しました。しかし、そもそもSIMとは何か、またモバイルWi-Fiを格安SIMにできるのか、疑問に思うことが多いのではないでしょうか。モバイルWi-FiでもSIMフリーのものはあるのかどうかを説明します。

そもそも「格安SIM」の「SIM」とは、スマホや携帯電話の内部に入っているICカードのことです。大きさは2020年現在、主流となっている「nanoSIM」で12.3mm×8.8mm、SIMカードそれぞれにIMSI(International Mobile Subscriber Identity)という利用者識別番号や電話番号が記録されており、電話をかけたり、インターネットに接続したりする際に使われます。スマホや携帯電話の機種変更をする際も、このSIMカードを挿し替えるだけで旧機種で使用していた電話番号を引き続き利用できます。

このSIMカードは2015年5月にSIMロック解除が義務化されるまで、ユーザーが他のキャリアに乗り換えないよう、基本的に購入した通信キャリアのSIMカードしか利用できないロック(SIMロック)がかかっていました。2015年5月以降、新たに発売されたスマホや携帯電話は、一定期間経過後、SIMロックを解除できます。こうしてSIMロックを解除した、あるいは最初からSIMロックがかかっていないスマホや携帯電話を「SIMフリー」といいます。SIMフリーの状態になると、他社のSIMでも自由に使用できるので、大手通信キャリアよりも格安な料金でスマホや携帯電話を使える、いわゆる「格安SIM」の利用も可能になります。

モバイルWi-Fiを格安SIMにできるかどうかを説明する前に、モバイルWi-Fiの仕組みについて確認しておきましょう。モバイルWi-Fiは別名・モバイルWi-Fiルーターともいい、スマホや携帯電話と同じく基地局から無線電波を送受信してスマホやタブレット、パソコンなど複数のWi-Fi対応機器をインターネットに接続できる小型の端末機器のことです。モバイルWi-Fiは基本的にサービスを提供している通信会社から購入、もしくは通信端末をレンタルし、インターネット回線を契約することで利用できます。

モバイルWi-Fiには、スマホや携帯電話と同じく、利用者を識別するためにSIMカードが搭載されています。ただし、SIMロック解除の義務化に伴い、SIMロックがかかっていない、いわゆるSIMフリーのモバイルWi-Fiも販売されています。SIMフリーのモバイルWi-Fiは、基本的にどの通信会社のSIMカードを入れても使うことができるので、モバイルWi-Fiを格安SIMに乗り換えたいときによく利用されています。

外出先でも海外でも大手通信キャリアを経由せず、気軽にインターネットを利用できるSIMフリーのモバイルWi-Fiには、料金が格安であること以外にもメリットがたくさんあります。なかでもキャリアの縛りがないため、通信各社が提供するさまざまな料金プランを選べることは、特筆すべき点のひとつにあげられるでしょう。SIMフリーのモバイルWi-Fiのメリットについて紹介します。

モバイルWi-Fiやスマホ、携帯電話を問わず、格安SIMを提供している通信会社は、大手通信キャリアの通信設備や回線を借りて営業しています。このように通信設備を所有していない通信会社のことを「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」いい、設備を維持したり増設したりするコストがかからないことから大手通信キャリアよりもずっと安い価格でサービスを提供できます。そのほか、実店舗を設けずにインターネットでのみ、商品を取り扱っている通信会社が多いこともMVNOの安さの秘密です。

このため、モバイルWi-Fiを格安SIMにすることで、ユーザーは月額費用を大手通信キャリアよりもずっと安く抑えられます。MVNOのサービスエリアは大手通信キャリアのエリアと全く同じなので、格安SIMはとてもお得といえるでしょう。SIMフリーの場合、どんなSIMカードでも使えるため、通信会社を何社も比較・検討して自分にあったサービスを選べることもSIMフリーのモバイルWi-Fiのメリットのひとつです。MVNOは2001年のサービス開始以後、徐々にユーザー数をのばしており、2020年1月にモバイル社会研究所が15~79歳の男女を対象に行った調査によると、スマホ利用者のうちMVNOを利用している人の比率は全体の18.9%を占めました。

違約金(解約金、契約解除料)とは、モバイルWi-Fiを契約期間中、または解約月以外に解約した場合、通信会社に対して支払う金銭のことです。2019年、総務省はこのような違約金の上限を1,000円とする新ルールを制定しましたが、ルールの制定以前にモバイルWi-Fiを契約した場合、違約金+端末代の残債で1万円を超える違約金が発生することもあります。しかし、これは大手通信キャリアの場合であって、格安SIM、かつデータ通信のみ可能なモバイルWi-Fiであれば、ほとんどの通信会社が契約期間や違約金を設定していません。このため、さまざまな通信会社に頻繁に乗り換えて、比較・検討することも可能です。ただし、違約金が発生しなくとも、乗り換え先の通信会社で契約事務手数料がかかることもあるので注意しましょう。

一般的な大手通信キャリアのモバイルWi-Fiの場合、SIMロックがかかっていることがほとんどです。しかし、これではその大手通信キャリアが用意した料金プランの中からしか選べません。一方、SIMフリーのモバイルWi-Fiの場合、数多くの通信会社が打ち出している豊富な料金プランの中から自分に最適なプランを選択することが可能です。また、格安SIMは、大手通信キャリアに比べてシンプルな料金体系を採用していることがほとんどなので、サービスを比較・検討しやすいのもメリットです。特にモバイルWi-Fiは、データ容量や通信速度が決め手なので選びやすいといえます。いずれにせよ、自分の日頃の使い方にあわせて、各通信会社の料金プランをじっくりと検討しましょう。

SIMフリーのモバイルWi-Fiにはメリットがたくさんありますが、その反面、選択した格安SIMによっては、通信速度が遅い時間帯がある、端末やSIMカードの選び方がややこしいなど、デメリットも数多く存在します。なかでも格安SIMを提供する通信各社の通常速度が大手通信キャリアに比べて圧倒的に遅いことは致命的なデメリットと言わざるを得ないでしょう。SIMフリーのモバイルWi-Fiのデメリットを紹介します。

SIMフリーのモバイルWi-Fiには、端末やSIMカードを自分で選ばなければならないというデメリットがあります。基本的に日本国内で販売されているモバイルWi-Fiであればどの通信会社のSIMカードでも使うことができますが、問題は通信端末が実装している周波数帯です。周波数帯とは、いわばデータの通り道で、モバイルWi-Fiの周波数帯と通信会社の周波数帯が合っていないと通信が遅くなってしまいます。なお、日本では総務省がキャリアごとに周波数帯を割り当てて回線の混雑を防いでいます。

また、SIMカードのサイズにも気を付けなければなりません。2020年現在の主流は「nanoSIM」というSIMカードですが、そのほかサイズが全く異なる「標準SIM」や「microSIM」があります。つまり、自分で通信端末やSIMカードを選べることはメリットである反面、選び方を失敗すると買い直しやSIMフリーそのものを諦めるというリスクも背負っているのです。SIMフリーのモバイルWi-Fiに乗り換える際は、自分にそれだけのITリテラシーが備わっているのか、よく考えてみましょう。

大手通信キャリアのモバイルWi-Fiの場合、初期設定や詳しい使い方、また何らかの問題が発生したときも、近くの店舗や電話、ネットなどで手厚いサポートが受けられます。しかし、格安SIMの場合、何から何まで自分1人で解決しなければなりません。例えば、モバイルWi-FiにSIMカードを挿入する方法や通信のために必要なAPN設定まで、通信端末やSIMカードを購入するときと同様、それなりのITリテラシーが必要とされます。もちろん、モバイルWi-Fiには取扱説明書がついてきますが、慣れないうちは初期設定だけでも難しいものです。SIMフリーのモバイルWi-Fiに乗り換える場合、受けられるサポートは必要最小限ということは覚悟しておくべきでしょう。

格安SIMのモバイルWi-Fiの場合、回線を借りている大手通信キャリアのサービス対応エリアであれば、ほとんどの地域でインターネットに接続できます。しかし、基地局から遠い一部の地方ではまだまだ繋がりづらいのが現状です。また、短時間で大量にデータを送受信できるWiMAX(無線通信技術の規格のひとつ)は周波数が高い分、遮蔽物に弱く、特に山間部では電波が入りづらくなっています。このため、地方でSIMフリーのモバイルWi-Fiを利用したいのであれば、山や木など遮蔽物があっても繋がりやすいプラチナバンド(700MHz~900MHz)のLTEに対応したモバイルWi-Fiを選んだ方が無難です。ただし、後述する「クラウドSIM」であれば、1台の通信端末に現在地で1番快適に利用できる仮想SIMカードをダウンロードし、それを使って通信を行うので、地方に住んでいてもスムーズにインターネットに接続できます。

選んだ通信会社にもよりますが、一般的に格安SIMは速度が遅いといわれています。特に、朝の通勤・通学の時間帯やお昼休み、帰宅時間、そして深夜は回線が混雑しやすく、動画視聴はもちろん、WebサイトやSNSも満足に見ることができません。大手通信キャリアの傘下にある格安SIMであれば問題なく見られるという報告もありますが、いずれにせよ利用者が増加する時間帯はあまり期待しない方がいいでしょう。

格安SIMが大手通信キャリアより通信速度が遅いのは、格安SIMのサービスを提供する通信会社(MVNO)が大手通信キャリアのインターネット回線を借りているためだといわれています。当然、一度に流せるデータ通信量は大手通信キャリアのそれよりも少なめです。にもかかわらず、年々ユーザー数は増加しているので、ネットに接続する人が多い時間帯はどうしても通信速度が遅くなります。モバイルWi-Fiを格安SIMで使いたいと考えているのであれば、加入する通信会社の通信速度が時間帯によってどう変化するのかは押さえておきましょう。

大手通信キャリアでは、申込内容に応じて現金またはギフト券で還元する、いわゆるキャッシュバックキャンペーンを頻繁に行って新規ユーザー数を増やしています。しかし、格安SIMは、毎月の月額費用がお得な分、キャッシュバックをほとんど行っていません。このため、大手通信キャリアに比べて格安SIMはあまりお得感を感じにくいといえます。ただし、新年度で人の移動が多いときや企業が新しく格安SIMに参入したときは、キャッシュバックキャンペーンやポイント還元キャンペーンを行うこともあるので、期待して待ちましょう。

これまで紹介したように、SIMフリーのモバイルWi-Fiにはメリットもデメリットもあります。しかし、SIMカードを仮想化した「クラウドSIM」であれば、SIMフリーのデメリットをほとんど解消し、メリットだけを活かすことが可能です。次世代型の通信環境といわれるクラウドSIMは、モバイルWi-Fiを購入する際に、ぜひ選択肢のひとつとして検討したいところです。クラウドSIMとSIMフリーとの違いについて説明します。

「格安SIM」と似た言葉で「クラウドSIM」という言葉もよく聞かれるようになりましたが、この両者はどう違うのでしょうか。2019年5月から始まったクラウドSIMは、SIMカードをクラウドサーバー上で仮想化し、その仮想SIMカードをモバイルWi-Fiにダウンロードして通信を行うという新しいサービスです。従来は、通信端末1台につきSIMカード1枚、他の通信会社の回線を利用するためには通信端末にSIMカードをその都度入れ直さなければなりませんでした。しかしクラウドSIMでは、現在地からのリクエストに応じて、物理的なSIMカードが何十枚も刺さった「SIMバンク」の情報を基に最適な仮想SIMカードを構築、転送することで、さまざまなキャリアの回線を利用できるようになりました。

クラウドSIMとSIMフリーの大きな違いは、物理的なSIMカードを必要とするか、否かでしょう。クラウドSIMの場合、クラウドサーバー上にすでにSIMカードが用意されているので、新規の購入は不要です。また、現在地の状況にあわせてサーバー側が最適な回線を手配してくれるので、地方でもインターネット回線が繋がりやすいうえ、利用者が増加する時間帯でも通信速度が落ちません。つまり、クラウドSIMは格安SIMのデメリットをほぼ克服した、次世代型の通信環境といえます。

クラウドSIMの最大のメリットは、現在地で最も速度が速い回線に自動で切り替えられることでしょう。大手通信キャリアの複数の回線をそのまま利用できるので、電波が入るエリアが従来に比べて格段に広くなり、まさに、いつでもどこでも、スムーズなインターネットが楽しめるようになりました。回線の混雑に伴う速度制限がなくなったことも大きな魅力のひとつです。

また、クラウドSIMは海外出張や海外旅行の際に大活躍します。従来はSIMカードの都合上、現地でSIMカードを調達したり、新たにデータローミングサービスを契約して海外でも通信機器を使えるようにしたりしなければなりませんでした。一方、クラウドSIMは、対応している国や地域であれば、その国の仮想SIMカードを自動的に取得し、面倒な手続きなしでインターネット回線に接続できます。ただし、あらかじめ海外用のデータプランを購入しなければならないことが多いので注意が必要です。

クラウドSIMを搭載したモバイルWi-FiであればZEUS WiFi(ゼウスWiFi)がおすすめです。ゼウスWiFiは大容量なので「3日間で〇GB」といった通信制限もなく動画やSNS、ゲームなどを好きなだけ楽しめます。もちろん海外にもそのまま持っていくことができます。また、月額基本料は業界最安値級の月額980円(税込)からで、格安SIMと比べてもずっとお得です。モバイルWi-Fiの契約を考えているのであれば、どこでもネットに接続できるゼウスWiFiをぜひ検討してください。

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